●トルコ食文化の旅  服部津貴子

hattori_1_29今年は「日本におけるトルコ年」であり「トルコにおける日本年」です。
そこで、今年の夏の研修旅行はトルコ料理とトルコの文化や風土を訪ねる旅にしました。
トルコ料理といってもどんなものが出るのかもなかなか思い浮かばない方もいらっしゃるかと思います。先ずはトルコの基礎知識から。
国土は日本の2倍、人口は日本の約半分で、東から南東は陸続きですが、そのほかは黒海、地中海に面しています。西アジアと東ヨーロッパにまたがる位置にあることから「文明の十字路」とも呼ばれています。

私たちは古都であり、経済の中心地イスタンブールに飛行機で降り立ち、翌日ブルーモスクやアヤ・ソフィア、地下宮殿などを見学した後、飛行機でトルコ第三の都市イズミールへ。そこからはバスに乗り、エフェソス、パムッカレ、コンヤ、カッパドキアと古代遺跡や宗教施設、自然が織り成す石灰棚や岩窟など日本では見ることのできない雄大で風景を巡りました。
首都のアンカラまで向かう旅路にはシルクロードのキャラバンサライを過ぎ行き、干上がると30センチもの塩の層ができる大塩湖トゥズ湖を経てアンカラに到着。アンカラではトルコ共和国建国の父アタチュルクの霊廟やヒッタイト時代からの文明博物館などを見学しました。
その後、飛行機で再びイスタンブールに入りトプカプ宮殿の見学をしてグランドバザールに立ち寄りました。イスタンブールをはじめ各地に古代ローマ時代やオスマントルコ時代の宮殿や遺跡などが多く残り、心豊かになる旅路となりました。

 

hattori_3_29さて、本題のトルコ料理。トルコでは宗教上の理由により豚は食べることができません。多く出てくるのは羊の肉です。新鮮な野菜とオリーブオイル、様々な香辛料を使っているのが特徴です。また、海に近いイスタンブールやイズミールでは魚も食べられています。これらの料理は近隣のシリアやレバノン、ギリシャやエジプトなどの地中海沿岸地域でも多く見ることができます。
オスマントルコはオーストリア、ハンガリーなどの東ヨーロッパ、北アフリカや西アジアなどを支配化に治めたため、「文明の十字路」であると共に、料理の面においても様々な国や地域の特色を取り入れてトルコ料理が出来上がりました。
葡萄の葉でお米を巻いて蒸した前菜、ケバブやムサカなどの肉を使った料理は日本でも有名です。意外なところではイスタンブールのさばサンドは日本人にも親しめる料理の一つです。

デザートの伸びるアイスは蘭の一種のサレップという植物の球根が入っているためあのように粘りが出るそうです。飲み物はトルココーヒーや紅茶、アルコールのラクなどがポピュラーです。
長い歴史の中で、様々な人が培った食文化が現在まで脈々と受け継がれています。日本における食育の中にも「伝統ある食文化の継承」が掲げられています。これからも食を初めてして多くの素晴らしい文化を引き継ぎ、合せて広い世界の様々なものを学んでいくことによって見識を深めていきたいですね。