●「健康」って、どういうこと?

「健康」という言葉はあまりにも身近になりすぎて、一体何が健康なんだろうと改めて考える人はほとんどいないかもしれません。

そこでひとつの考え方をご紹介したいと思います。

WHO(世界保健機構)は、昭和23年に「健康とは、完全に、身体、精神、及び社会的に良い(安寧な)状態であることを意味し、単に病気でないとか、虚弱でないということではない。」と定義づけました。

つまり健康とは、

1.身体(肉体的)の健康
2.精神(心)の健康
3.正常な社会生活の豊かさ

これら3つの要素が満たされて初めて「健康」と呼べるということです。

これは「食育」が掲げ、担っていることと、とてもよく似ており、日頃からの生活習慣で培うことの出来ることです。

1.身体(肉体的)の健康

身体の健康を保つには、「栄養バランスの整った食事」と「規則正しい生活習慣」が重要です。
現代の日本人の死亡原因トップ3は、ガン、脳血管疾患、心疾患です。これらはいずれも生活習慣病によって引き起こされるとされています。これに生活習慣病から来る内臓疾患を加えるとなんと65%にも上ります。

食生活をきちんと見直せばこの数字は必ず改善されることでしょう。
特に小さいお子さんをお持ちのお母様方は、幼い頃から正しい食習慣を身につけさせるようきちんと「食育」してあげてください。

2.精神(心)の健康

「味覚教育の父」と呼ばれるフランスのジャック・ピュイゼ氏は、「五感をフルに働かせることで健全な精神が作り上げられる」と言っています。
五感をフルに働かせる最もいい方法は、料理をし、それを食べるということではないでしょうか。

食材に触れ、香りをかぎ、調理をする「トントン」という音や、「グツグツ」煮込んだり、「パチパチ」という揚げる音などを聞いて料理の仕上がり具合を判断します。そして、きれいな盛り付けで食欲をそそられ、最後に味わう。料理をする時も、いただく時も、五感はフルに活動します。

これらの感性が、精神(心)を豊かにしてくれるのです。

3.正常な社会生活の豊かさ

社会生活を豊かにするためには、まず周囲の人々の上手なコミュニケーションが大切です。そのためにはまず「挨拶」、「感謝の心」、そして「笑顔」の3つが重要だと考えます。

これは、学校生活においても、社会生活においても同じ。
コミュニケーションがうまくいかないことで、精神的に病気になってしまい、ストレスで身体を壊したという話を最近では良く聞きます。

自分から大きな声で明るく笑顔で挨拶をし、感謝の気持ちを持って接すると、驚くほど周囲との関係も変わってきます。
昔から「健全な精神は健全な身体に宿る」と言われてきました。
3つの定義を常に心がけて「健康」で充実した生活を送ってください。