●有機農産物と残留農薬のおはなし

安心・安全な野菜を選ぶ際、ひとつの目安になるのが「有機農産物」と呼ばれる作物。これは化学肥料や農薬を使わずに、生物の糞などを利用した有機肥料で栽培した農作物です。
一昔前、化学肥料や農薬を大量に使う農業が行われていました。これらの反省から生まれたのが「有機農産物」です。

2001年4月には、JAS法に有機農産物認証制度が導入され、種まきをする時期より2年以上前から農薬や化学肥料を使っていない田畑で栽培された農産物のみに「有機JASマーク」の使用が認められました。

ただ、有機栽培には農作業に欠かせない害虫や雑草の除去を、人間の手で行わなければならないため、時間とコストがかさみ、それが価格に反映されるため、高くなりがちだという問題はあります。

消費者が価格よりも安全性を求めるようになれば、有機農産物がもっと増え、価格もお手ごろになってくるかもしれません。

 

農薬についても勉強しておきましょう。

農薬は、害虫を駆除したり、農作物の病気予防、雑草予防や除去、農作物の生育を促すためなどに用いられています。
海外から輸入される作物には、日本に到着するまでにカビが生えたり、腐ったりしないように農薬が使われることがあります。これは収獲した後に使われる
「ポストハーベスト農薬」と言われているものです。

農薬が残った作物を食べたら、健康を害するため、日本では「食品衛生法」で
各作物ごとに残留農薬基準が決められ、使える量を厳しく制限しています。
この残留農薬の基準と言うのは、人が一生の間毎日その農薬を摂り続けても、
健康に害を及ぼさないと考えられる1日の摂取許容量をもとに定められています。
また2006年からは、「ポジティブリスト制度」が導入され、残留農薬基準の定められていない、例えば国内登録のない農薬にも厳しい規制がかけられるようになりました。

安心していただくために。

国内で栽培されている農作物には、農薬が残留している場合はほとんどありません。
でも、買ってきた野菜や果物は良く洗い、皮をむいて食べることを心がけましょう。